工事完成基準と工事進行基準

建設業の売上高の計上方法は2つあります。

一般的な工事完成基準とは、工事の完成お引渡し時点で売上高(完成工事高)として収益が認識される基準です。

4月末に完成して仮に7月に工事代金が入金になった場合も4月が売上高の計上になります。期中に入金時に売上計上をされる会社では決算期に注意が必要です、税務調査等で追加徴税される事もあります。

もう一つ工事進行基準があります。工事進行基準は工事の進行度合いによって収益を認識する経理方法です。

長期大型工事(請負額が10億円以上で工事期間が1年以上)の場合は工事進行基準の強制適用となります。

請負金額×工事進捗率が当該年度の売上です。

但し2年目以降に計上する場合には前期以前に計上済の売上高はマイナスします。

工事進行基準適用の要件が3つあります。
々事収益総額の信頼性
工事原価総額の信頼性
7荵仔における工事進捗度の信頼性です。

例えば20億円の請負金額の工事で原価見込みが80%粗利益率20%の場合に初年度50%の進捗率で決算をした場合には売上高10億円原価8億円粗利益2億円となります。

しかし次年度の売上高10億円原価が9億円の場合には粗利益1億円となり、完成基準ですと20億円粗利益率15%粗利益額3億円になります。

明らかに3つの要件を満たしていません。

従って将来上場を目指す会社や長期大型工事の受注をする会社では、実行予算管理や原価管理を正しく把握する事は必須です。

又個別に工事原価の把握を未実施の会社では、決算時の未成工事の把握も困難な事から、請求書の発行時や元請からの支払通知書等の日付で売上高として計上しています。(完成基準にはなっていません)
又工事原価は納材業者や外注業者からの請求書の日付を原価の計上日としております。

上記のどちらの基準にも適応しません(請求書発行基準)

これでは正しい決算とは言えません。

正しい請負額−正しい工事原価=正しい工事の粗利益です。

正しい利益の把握が建設会社の生き残りに不可欠と思います。

長期大型工事の受注がある会社は上記3つの要件をクリアすべく実行予算管理や進捗管理を実施可能な会社に

決算書に未成工事支出金や未成工事受入金の記載の無い建設会社は

是非正しい原価管理や実行予算管理等早期の実施が望まれます。




 


消費税の理解が難しい建設業の請求書

年商6億円位の専門工事業の会社さんに追加消費税の表示の請求書が到着しました。

一見間違いの様に感じました、間違いのまま支払済の状況で資料を拝見しました。

12月付の請求書です。契約金額が決まっていて分納の形で請求されています。

業者さんへの支払契約額は2000万円です。

注文書は発行していません。

2019年9月の時に第1回目の中間出来高支払の請求書が2000万の内1000万と消費税8%で合計1080万
を10月に支払っております。

完成金として残り1000万消費税10%合計1100万の請求書の別行に消費税差額2%、20万の表示があり
合計1120万の支払を1月に支払った後、2月の訪問時に確認した訳です。

この件について相手先の営業マンに問い合わせました。

営業マンの答えはこの現場は10%で支払うと現場で言われました。
現場担当者に聞くと、消費税のルールを知っている訳ではなくそんな事は言っていません。

相手の営業マンにご説明しました。

経過措置を適用して、3月以前に注文書の形で請負契約があれば、10月以降のお引渡しでも8%になります。
この場合には契約書が無いので、9月請求は8%12月請求は10%の請求が通常です。
其々の月に部分完成が成立した形となりますし御社の請求書もその形で発行されています。

請求書の表示は別にして、以前にブログにも書きましたが、完成時に仮払消費税が発生する形が正しい事は理解しています。
つまり9月は出来高1000万消費税0円、12月は完成金1000万仮払消費税は2000万に対して10%の200万の形です。

9月の税理士さんの仕訳は外注費1000万仮払消費税80万となっております。
12月の仕訳は外注費10,181,818円仮払消費税1,018,182円合計1120万の現状です。

もし20万が戻されれば戻った時の仕訳は181,818円の外注費の戻し仮払消費税修正18,182円で解消されますが

もし完成時に消費税が発生する、返却されない形の場合には(請求書の表示は疑問ですが、2000万にたいする10%の仮払消費税)
外注費1000万仮払消費税120万として頂かないと会社が181,818円外注費の過剰計上となり、その分原価がアップして、納付する消費税が増加する事になります。

つまり2000万の10%200万の仮払消費税が正しいが、会計上の処理は80万+1,018,182円の合計1,818,182円に成っております。
200万との差額、上記181,818円が、会社の会計を修正しないとその分の181,818円消費税の納付額が増え、同額の外注費が増える事になります。会社が損をします。

面倒ですが、分った以上会社の方や税理士さんに理解して頂いて会計を修正頂くように頑張らねば。

この様に前回の5%⇒8%への消費税アップの時も沢山間違い例を見つけましたが今回の請求書は新しい発見でした。


社内に会計も建設業の会計も分かり、現場の状況も分かる方が居ないと間違いの発生リスクが高い建設業の消費税です。


会社から見れば税金の話ですので、税理士さんが正しく処理されて要る筈とお考えですが、請求書等の帳票を毎月チェツクして頂ける事は難しいと思います。

 







 


消費増税時の注意事項

株式会社アイユートの服部がお届けいたします。第20回は2019.10月からの増税時の注意事項です。前回の5%⇒8%の増税時中小建設業で発見した間違い事例をご紹介します。

【建設業の消費税 事例と注意点】

以上のご説明の様に、建設業の消費税は間違いが多く見られます。

更に税率のアップ以上に大事な問題が『適格請求書保存方式』の導入が令和5年10月より導入される事です。(協力業者さん等の請求書を外注費等発生時に仮払消費税が発生しましたが、新制度では協力業者が登録して請求書に登録番号の記載がある場合のみ仮払消費税が発生します)従って消費税を納めていない協力業者分は消費税分が控除出来ません。問題だった益税が無くなります。この様に消費税については税理士さん任せで無く

社内で正しい知識を持つ事が重要です。建設業の消費税はアイユート迄不明点等お問合せ下さい。


建設業の税務調査の特徴 その2

ある税理士さんのセミナーの中で、建設業の税務調査の問題点として4つあげられました。

売上の計上時期・外注費(労務費との区別)・交際費(領収書の有無、袖の下)そして常に問題となる未成工事支出金の4項目について挙げられました。

私なりの経験や考察の視点でご紹介させて頂きます。

前回は売上の計上時期でした。第2回の今回は交際費(領収書の有無・袖の下)です。

 

通常使用する、ゴルフ接待、飲食接待、お中元やお歳暮等の他に、大きな声では言えない袖の下のお話しです。

 

昔に比べて少なくなっている事は事実と思います。然しながら上記の様な実際に領収書等が有って、実際に飲食した部分は問題無いのですが、例えば商品券を渡したり、袖の下として現金等を渡す事も100%無いとは言えない業界です。

 

金額によっては、お役所等では贈収賄事件になるような事もある訳です。

 

セミナーではその辺りのお金の流れが不明確であったり、渡した方のお名前が明らかに出来ない場合のお話がありました。

 

勿論この様な事を肯定するつもりはありませんが、実際に元請先から裏金の協力要請があったり、キーマンとなる権限のある方に工作をすれば、有利な条件で受注出来る事も有ったりで無くならないのもこの種類の話です。

 

業界経験の長い私の過去の話とどうすべきか?の話を記入します。

 

まず、表題にもあるように、税務調査で正しい処理がされていない為に会計では経費として処理しても、調査等では、役員賞与扱い等で会社の追徴税額が発生したり社長の個人所得に加算されて、多くの税額追徴が発生する事も有ります。

 

私の考えですが、まず必要悪として、社長が会社の為にこの行為を是認する場合の方法です。

自分の給与を増やして、所得税や住民税等を差引いた手取りの給与を増やして、増えたお金から払う主義を徹底する事です。

 

これが私の意見です。所得税等ははその為の必要な経費と考える、本来やってはいけない事をする=社会ルールに違反する、その為の経費として割り切る事です。

こういったお金は社長だけの行為で処理する事が大事です。

又実際に社長の給与からのお金なので、税務署も問題に出来ません。税務調査の問題にはなりません。又社員さんも知る事が出来ません。

 

もう一つ大事な事があります。

それは社員さんが見ている事です。

社員さんの理解力にもよりますが、悪影響を及ぼす訳です。

 

ある会社の例ですが、社長が上記の様なお金を準備するために、懇意の下請先に支払うお金を200万増やすので、150万現金で戻して欲しい、そんな要請をする訳です。勿論下請先は断る事も出来ません。

 

その手口を真似て、社員である部長が同様の手口でお金を下請先から集めた訳です。

 

そのお金はその部長の個人的な支出として使われました。

つまり部長個人の資質も問題ですが、会社内の事件として、有能な部長を解雇せざるを得ない出来事が発生しました。

 

この手のお金が必要な、建設業の社長さんにお読み頂きたいブログです。


 


建設業の税務調査の特徴その1

ある税理士さんのセミナーの中で、建設業の税務調査の問題点として4つあげられました。

売上の計上時期・外注費(労務費との区別)・交際費(領収書の有無、袖の下)そして常に問題となる未成工事支出金の4項目について挙げられました。

私なりの経験や考察の視点でご紹介させて頂きます。

まず今回は売上の計上時期です。

通常の建設業は完成主義となっております。(工事進行基準もありますが、ややこしくなるので今回は割愛)

つまり工事の終了に伴うお引渡し時に完成工事として、売上に計上される訳です。

元請でお仕事を受注されている場合には、お引渡し時期について、例えば住宅の新築であったり、リフォーム工事等は終了時が分かるので完成工事の日が会計的に売上(完成工事高)に計上される日になります。勿論恣意的に完成日をずらして翌期の完成工事等にすれば税務調査で売上未計上とされる訳です。

しかし下請工事の会社では、終了しても工事代金が幾らか?見積は出していてもその金額でお金が頂けるか分からない状態です。

私のお客様での経験ですが、4月決算で4月に工事は終了していたが元請からの注文書が届き、工事代金が判明するのが、大変遅く3か月後工事代金の金額が決まりました。売上の計上が決算処理に間に合わず、未成工事の扱いで決算が実行されました。

税務調査があって、売上の未計上との指摘がありました。

でも私が思うに幾らか分らないのに完成工事高はどう計上すればよいのか?
又なぜ指摘を受けたか?については、4月末の決算時の未成工事支出金の金額と、翌期に売上計上後の完成工事原価が一緒だった事も有ります。つまり決算後に原価が1円も増えていない=職人さんも現場に入っていない、経費の支出も無い状態でした。

指摘はある意味正しいかもしれません、現場は決算後動いていない事になるからです。でも金額の不明は売上計上したくても出来ないのでは?と質問しました。

調査官のお答えは、終わった時点で見積の金額で、一旦完成工事高として計上して、翌期の7月や8月に金額の確定した時点で、差額を値引き処理にする。

これが答えでした。理解しにくい部分がありますが、答えとしては仕方無い事でしょうか?
納得はしていませんが、こんな事が起きる原因を突き詰めると元請先の事務処理のルールであったり、元請の担当者や下請の担当者の事務処理に対するルーズさも考えられます。

元請先の事務処理のルールとは、請負金額が決まりそこから実行予算が作成され、その予算が社内的に承認されてからしか、下請に注文書が発行出来ない=お金が払えない状態です。

元請会社も自社のルールは社内的には正しいかもしれませんが、その事で下請の資金繰りに支障があったり、税務調査に迄影響を与えている事でご理解頂き、事務処理はスムーズに行う事が優秀な下請先の確保の観点からも重要です。

又下請の担当者もお金が決まっていない事のアピールや請求を意識する事が重要です。



 


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