建設業の税務調査の特徴 その2

ある税理士さんのセミナーの中で、建設業の税務調査の問題点として4つあげられました。

売上の計上時期・外注費(労務費との区別)・交際費(領収書の有無、袖の下)そして常に問題となる未成工事支出金の4項目について挙げられました。

私なりの経験や考察の視点でご紹介させて頂きます。

前回は売上の計上時期でした。第2回の今回は交際費(領収書の有無・袖の下)です。

 

通常使用する、ゴルフ接待、飲食接待、お中元やお歳暮等の他に、大きな声では言えない袖の下のお話しです。

 

昔に比べて少なくなっている事は事実と思います。然しながら上記の様な実際に領収書等が有って、実際に飲食した部分は問題無いのですが、例えば商品券を渡したり、袖の下として現金等を渡す事も100%無いとは言えない業界です。

 

金額によっては、お役所等では贈収賄事件になるような事もある訳です。

 

セミナーではその辺りのお金の流れが不明確であったり、渡した方のお名前が明らかに出来ない場合のお話がありました。

 

勿論この様な事を肯定するつもりはありませんが、実際に元請先から裏金の協力要請があったり、キーマンとなる権限のある方に工作をすれば、有利な条件で受注出来る事も有ったりで無くならないのもこの種類の話です。

 

業界経験の長い私の過去の話とどうすべきか?の話を記入します。

 

まず、表題にもあるように、税務調査で正しい処理がされていない為に会計では経費として処理しても、調査等では、役員賞与扱い等で会社の追徴税額が発生したり社長の個人所得に加算されて、多くの税額追徴が発生する事も有ります。

 

私の考えですが、まず必要悪として、社長が会社の為にこの行為を是認する場合の方法です。

自分の給与を増やして、所得税や住民税等を差引いた手取りの給与を増やして、増えたお金から払う主義を徹底する事です。

 

これが私の意見です。所得税等ははその為の必要な経費と考える、本来やってはいけない事をする=社会ルールに違反する、その為の経費として割り切る事です。

こういったお金は社長だけの行為で処理する事が大事です。

又実際に社長の給与からのお金なので、税務署も問題に出来ません。税務調査の問題にはなりません。又社員さんも知る事が出来ません。

 

もう一つ大事な事があります。

それは社員さんが見ている事です。

社員さんの理解力にもよりますが、悪影響を及ぼす訳です。

 

ある会社の例ですが、社長が上記の様なお金を準備するために、懇意の下請先に支払うお金を200万増やすので、150万現金で戻して欲しい、そんな要請をする訳です。勿論下請先は断る事も出来ません。

 

その手口を真似て、社員である部長が同様の手口でお金を下請先から集めた訳です。

 

そのお金はその部長の個人的な支出として使われました。

つまり部長個人の資質も問題ですが、会社内の事件として、有能な部長を解雇せざるを得ない出来事が発生しました。

 

この手のお金が必要な、建設業の社長さんにお読み頂きたいブログです。


 


建設業の税務調査の特徴その1

ある税理士さんのセミナーの中で、建設業の税務調査の問題点として4つあげられました。

売上の計上時期・外注費(労務費との区別)・交際費(領収書の有無、袖の下)そして常に問題となる未成工事支出金の4項目について挙げられました。

私なりの経験や考察の視点でご紹介させて頂きます。

まず今回は売上の計上時期です。

通常の建設業は完成主義となっております。(工事進行基準もありますが、ややこしくなるので今回は割愛)

つまり工事の終了に伴うお引渡し時に完成工事として、売上に計上される訳です。

元請でお仕事を受注されている場合には、お引渡し時期について、例えば住宅の新築であったり、リフォーム工事等は終了時が分かるので完成工事の日が会計的に売上(完成工事高)に計上される日になります。勿論恣意的に完成日をずらして翌期の完成工事等にすれば税務調査で売上未計上とされる訳です。

しかし下請工事の会社では、終了しても工事代金が幾らか?見積は出していてもその金額でお金が頂けるか分からない状態です。

私のお客様での経験ですが、4月決算で4月に工事は終了していたが元請からの注文書が届き、工事代金が判明するのが、大変遅く3か月後工事代金の金額が決まりました。売上の計上が決算処理に間に合わず、未成工事の扱いで決算が実行されました。

税務調査があって、売上の未計上との指摘がありました。

でも私が思うに幾らか分らないのに完成工事高はどう計上すればよいのか?
又なぜ指摘を受けたか?については、4月末の決算時の未成工事支出金の金額と、翌期に売上計上後の完成工事原価が一緒だった事も有ります。つまり決算後に原価が1円も増えていない=職人さんも現場に入っていない、経費の支出も無い状態でした。

指摘はある意味正しいかもしれません、現場は決算後動いていない事になるからです。でも金額の不明は売上計上したくても出来ないのでは?と質問しました。

調査官のお答えは、終わった時点で見積の金額で、一旦完成工事高として計上して、翌期の7月や8月に金額の確定した時点で、差額を値引き処理にする。

これが答えでした。理解しにくい部分がありますが、答えとしては仕方無い事でしょうか?
納得はしていませんが、こんな事が起きる原因を突き詰めると元請先の事務処理のルールであったり、元請の担当者や下請の担当者の事務処理に対するルーズさも考えられます。

元請先の事務処理のルールとは、請負金額が決まりそこから実行予算が作成され、その予算が社内的に承認されてからしか、下請に注文書が発行出来ない=お金が払えない状態です。

元請会社も自社のルールは社内的には正しいかもしれませんが、その事で下請の資金繰りに支障があったり、税務調査に迄影響を与えている事でご理解頂き、事務処理はスムーズに行う事が優秀な下請先の確保の観点からも重要です。

又下請の担当者もお金が決まっていない事のアピールや請求を意識する事が重要です。



 


未成工事支出金の間接配賦額

地方の中堅ゼネコンさんでのお話です。

経営内容の良好な年商100億規模のお客様です。

10月決算で11月から1月迄の試算表が赤字になっている、売上高が落ちた訳でも無く確認して欲しいとの依頼がありました。

内容を確認させて頂きますと、10月末の決算時に計上された、未成工事支出金の間接配賦金7千万位が10月に取り崩されていました。

従って10月末の未成工事支出金の決算額より1月末は7千万少なくなり、会計上は完成工事原価が多く計上された為3ヶ月の成績は赤字になった事の理由です。

原因は分ったので、間接配賦金のご説明をさせて頂きました。経理の方も内容をご理解されて無かったようです。

読者の方にもご理解頂ければと、訪問先で話した内容をかいつまんで記入させて頂きます。

決算時の未成工事支出金には工事毎に直接支払った、外注費や材料費等は原価ソフト等で把握されておりますが、未成工事支出金にはこれら直接の原価以外に、現場担当者の人件費や直接原価を特定できない仮設材料費や減価償却費等間接的な原価があります。

これら間接原価を一定の配賦基準によって未成工事支出金の間接配賦額が、仕掛工事に加算される訳です。この会社では10月末に7千万加算された訳です。

この配賦基準は正直沢山の中小建設業を見ている私からすれば、決算時の見せかけの利益と思っています。つまり現場担当者の給与は支払った時に経費になる訳です。その経費を一定の配賦基準で経費⇒棚卸資産の加算になり、決算時原価が下がる為見せかけの利益が増える訳です。

私からすれば、税理士さんによって計算方法はバラバラで、会計基準の計算方法はあるのでしょうが、極端に言えば未計上のままの税理士さんも存在します。

つまり、税務署からすれば、一定の同じやり方が続いていれば問題ないようです。利益の調節に多く計上したり少なく計上する事は修正申告の対象になります。又業種や事業内容にもよるのでしょうが、全く0円は拙いように思います。

建設業特有の処理ですので、調査で指摘を受ける迄ご存じ無い先生も見えるのではないかと思う位です。

話を戻しますとこの7千万の金額処理ですが、今期末迄そのまま7千万を未成工事支出金に据え置いておけば、今回のような事は発生しません。そこで来年の10月末時点の計算が8千万だった場合には、又見せかけの利益が1千万加算される事になります。
又逆に5千万だった場合には2千万見せかけの利益が減る事になりますが、差額で決算時に振替実施した方が当期の経営成績の把握にはベターではないかとお話しました。

又は毎月この計算をすれば、毎月の経営成績が出る訳ですが、面倒なので税理士さんは決算時しか実施されません。

会社の中で決算時の計算方法を学ばれて毎月実施される事も良いですが、結論的には決算時に又変わるので、決算予測等の観点からは7千万据え置き方式が現実的ではないかと思います。

くどいですが、見せかけの利益や損失の話ですので、担当者が利益の向上を目指して実行予算管理や原価管理で粗利益アップを目指すお手伝いをしている私から見れば、次元の違う話です。


元請先からの預かり入金処理

先日ある大手建設会社の協力会社向けにセミナーをさせて頂きました。

終了後参加者から質問がありました。

質問者は40代位の社長でした。

セミナーの中で未成工事受入金の話がありましたが、弊社では元請先の決算時に、架空物件でご入金があります。
翌期の工事代金に充当されます。この処理は講義にあった未成工事受入金でしょうか?
弊社の決算書に未成工事受入金の勘定科目はありません。

他の会社でもよくある話です。整理してご説明させて頂きました。

まず元請先は多分利益が多く、翌期に支払の発生予定先に当期の原価にすべく工事代金として支払を実施して当期の原価に入れます。

入金頂いたご質問者の会社ではその分売上計上されていますが、工事はしておりませんので原価0で当月は丸儲けの内容になります。

実際の工事を実施時に、売上は0円でも掛かった原価が発生してその時点では発生した原価が赤字になります。

下請けの立場としての正しい会計処理は、工事が未実施の入金ですので、未成工事受入金として売上から減額する事が正しく又実際に工事を実施して完成時に未成工事受入金が完成工事高に変わり、掛かった原価との差額が粗利益となります。

正しい損益計算が出来る訳です。

但し同時に税務調査が入れば、正しいのはどっちですか?となります。つまり元請先の支払は原価では無く未成工事支出金となり元請先の意図する所にはなりません。

その時は元請先との関係もありますが、御社の売上除外とすれば元請先を守る事になります。
その確率は低いので、同様ケースには私のお客様は未成工事受入金として処理しています。

完成した時点で完成工事高として処理します。

今回もお聞きして分りましたが、未成工事受入金の計上の無い建設業の場合には全て完成工事高の処理になってしまうので正しい損益管理が出来ません。

御社の決算書を確認されては如何ですか?


 


取締役工事部長の人件費

年商20億円の土木工事のお客様のお話です。

 

工事部長さんと営業部長さんが取締役に昇格されました。

 

お目出度いお話ですが、問題は工事部長さんの人件費です。

 

従来通り自分の現場も持って見えます。

 

然しながら、役員報酬となり従来の工事原価の給与手当から販売管理費の役員報酬に会計では処理されます。

 

それは会計から見たら正しい処理ですが、自分の現場は持たないで管理側の仕事が増えれば問題ないのですが、お仕事の内容は変りません。

 

しかし、原価的には工事部長給与が原価では無くなるので、工事部長の担当現場は粗利益がアップします。

 

従来から、未成工事支出金の間接配賦金の中にも計上されております。

 

社長のご要望で、会計処理上は販売管理費で行くが、管理会計上は従来通り役員報酬に変わっても原価として計上する。従来と変わらないようにして欲しい依頼でした。

 

少し頭をひねりましたが、会計上の完成工事粗利益と同様に、管理会計上の完成工事粗利益が一致すべく方法を考える事が出来ました。

 

このように会計の原理原則と実態が合わない事も中小建設業ではある事です。工事毎の粗利益から会計の粗利益に導く迄の計算式が完成しました。

アイユートのノウハウが活かされた方法でした。

 

 

 


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